Guts

TVアニメ「ベルセルク」|作品タイトル

トップノートは、荒々しく吹きすさぶシトラスの香りから始まります。力のままに振り下ろされた大剣「ドラゴンころし」の剣筋を思わせるような、威圧感とキレのある香りです。
その中からプチグレンの力強い香りが際立ち、粗削りで自身を顧みない戦い方のように、芯のあるまっすぐな印象を生み出します。満身創痍になりながらも人間の魂に誇りを持ち続ける、鋼の精神力を感じさせます。

ミドルノートになると、荒々しさのあるガルバナムの香りが混ざり、呪われた甲冑により強大な力を手にしたガッツのもたらす緊張感が漂います。魔物を倒し、憎悪を募らせれば募らせるほど、理性の奥底に潜んだ狂気に意識を乗っ取られる。そんな危うさを思わせる、どこか荒涼とした印象の香りです。
加えてクローブの渋みが揺らめくように香り立ちます。周りが見えなくなるほどの負の感情の中、矛盾を抱えもがきながらも剣を振り続ける、そんな彼の苦悩が見える、ほろ苦い香りです。

ラストノートは、サンダルウッドの静かな香りが流れ込んできます。トップノート・ミドルノートの張り詰めた雰囲気とは打って変わって、穏やかな印象です。
怨嗟えんさの声の中ふとした瞬間に、愛するキャスカを目に留めて落ち着いたガッツ、思念体となったシールケに激励されて理性を取り戻したガッツ、という雰囲気です。
そこにムスクの柔らかく優しい香りがほんのり漂い、彼本来の温もりを感じさせる、安心感のある香りに落ち着きます。旅を通して信頼できる仲間達に出会い、やっと見つけた自分の居場所に安堵する様子が目に浮かぶようです。

ガッツのフレグランスは、全体的に雄々しさや力強さを感じさせる、がっしりとした荒削りな香りです。
強靭な肉体・精神力の奥に葛藤や情愛を抱いた、人間らしい複雑な奥行きを感じてみてください。