クララの香りは、可愛らしい甘さと走り抜けるようなフレッシュさを感じる香りです。

トップノートは、アロエのみずみずしく爽やかな香りと、透明感のあるオゾンノートが重なって香り立ちます。初対面の入間に自身が履いているスリッパを「右足がコナーで、左足がマーフ！」と笑顔で紹介するクララの、自由で予測不可能な振る舞いを思わせる印象です。

ミドルノートにかけては、軽やかで甘酸っぱいラズベリーリーフの、弾けるような香りが広がり始めます。問題児クラスの教室前でダンボールに突っ込みながら楽しそうに遊んでいる、元気いっぱいな雰囲気です。そこへスペアミントのすっきりとした香りが重なり、入間とアスモデウスを遊びに誘い、楽しそうに学校内を駆け抜けるクララの姿も感じられます。

ラストノートになると、アンバーの温かさのある甘さがじんわりと漂います。入間から初めて遊びに誘われて、頬を染めて舞い上がってしまう姿や、入間と仲良くなり始めたアメリに嫉妬して入間をメロメロにしようとアタックするクララの、ピュアで乙女な様子が感じられます。

晴れやかに澄んだ空気感の中に、淡いときめきがそっと寄り添うような、可憐な香りです。

©西修（秋田書店）／ＮＨＫ・ＮＥＰ