ナベリウス・カルエゴの香りは、重厚感と気品さを兼ね備えた香りです。

トップノートは、すっきりとしたヒノキと、キレのあるユーカリから始まります。香りに少し棘があるような、シャープな印象の香りです。
ほのかな苦みも感じられるので、目の前に立たれると思わず緊張してしまうような、厳しい先生という雰囲気があります。「粛に」と眉間にしわを寄せたり、鋭い目つきで厳粛に指導をしている姿が目に浮かぶようです。

ミドルノートになると、しっとりとしたセンチフォリアローズが広がります。
厳しくもどこか風格を感じさせる立ち居振る舞いや、歴史あるバビルス校の伝統を重んじている姿を思わせる香り立ちです。どことなく彼の立場が伺えるような、上品な香りです。

ラストノートにかけて、ブラックウッドが重なります。香りに奥行きを与えるように、深みが一層増してゆくイメージです。
家庭訪問の際にはノート一冊にびっしりと生徒の情報を記して持参するといった、実は誰よりも生徒たちのことをよく見ている教育熱心な一面を感じさせます。

厳格な彼の存在感や、なんだかんだありつつも生徒たちから慕われている姿を、是非香りで感じてみてください。

©西修（秋田書店）／ＮＨＫ・ＮＥＰ