アザゼル・アメリの香りは、生徒会長らしい凛とした雰囲気のある、美しい香りです。
ですがその奥に、恋する乙女のような甘酸っぱさもあります。

トップノートは、キラキラとしたベルガモットが香り立ちます。
気高さを思わせるような香りで、彼女が通るだけで生徒たちが背筋を伸ばしてしまうような、威風堂々とした姿が感じられます。
ただそこに、プラムの可愛らしい甘みも加わります。
まさに恋する乙女、という雰囲気で、「初恋メモリー」を入間に読んでもらっている時の、キラキラした瞳のような香りです。

ミドルノートになると、ローズの華やかさが広がります。
上品な香りではあるのですが、しなやかな甘みがあるので、彼女の心からの「好き」の気持ちが感じられます。
「私はお前が好きなのだな」と入間への恋心を自覚し、入間に手を振る姿を思わせるようです。

ラストノートでは、どこまでも真っ直ぐに、ヒノキなどのウッディの香りが立ち昇ります。
「この学校を悪魔たちの憧れの学び舎にしたい」という“野望”を持ち、努力するアメリという雰囲気です。
そこにムスクのソフトな印象も重なるので、入間とのデートを成功させようとデートスポットやデートのコツなどを一生懸命に調べる姿も目に浮かぶようです。

©西修（秋田書店）／ＮＨＫ・ＮＥＰ