アミィ・キリヲの香りは、ふわふわとした柔らかい香りで、どこか儚さも感じられるような雰囲気です。
ただ、その奥に不透明な渋みが隠れています。

トップノートは、まろやかな甘さを持つフローラルオゾンの、ほんわかとした印象から始まります。
おっとりとした空気感が感じられるようなソフトな香りで、出会った当初のどこか頼りない雰囲気や、穏やかな笑みが感じられるような香りです。
魔力が無かったらと不安を吐露する入間に「お揃いやなあ」と告げるキリヲ先輩というイメージです。

ミドルノートでは、クローブの落ち着いたスパイス感が香ります。
そこにドライウッディのダークな印象も加わって、煙のような不透明感のある渋い香りが、渦を巻くように広がってゆきます。
他人が絶望する顔を見たいがために、入間達が頑張って作った花火を師団披露（バトラパーティー）で爆発させようとするような、「元祖返り」した悪魔としての一面がしっかり感じられます。

ラストノートになると、パチュリのしっとりとしたイメージが出てきます。
それと同時に、まったりとしたバニラの甘さも加わり、どこか不穏な余韻を残します。
入間を押し倒し、その瞳を見つめながら「ええ顔してるで入間くん」と言う彼の、とろけたような表情が目に浮かぶようです。

©西修（秋田書店）／ＮＨＫ・ＮＥＰ