EISEI

SHIN

トップノートは、ユーカリの涼やかさや、ラベンダーのすっきりとした香りから始まります。冴え冴えとした印象の香りで、中華統一という決意に満ちた嬴政の、力強い眼差しを思わせます。
しかし、その奥で仄かな甘みも感じられ、信や河了貂を始め気の置けない仲の友人達の前では、穏やかな笑みを見せる様子も思い浮かびます。 

ミドルノートは、アイリスのパウダリックな香りが出て、王族らしい気品を感じさせます。成蟜の内乱、呂不韋による陰謀を乗り越え、名実共に秦国の大王になった嬴政が玉座に座す姿が思い浮かぶ、高貴な香りです。
一方で、ジャスミンやローズなどの力強い花々の香りも潜んでおり、ただ座すだけの王ではないことが伝わってきます。その壮絶な生い立ちの中で痛みや苦しみを知ったからこその、歴代の王にはない精神的な強さや懐の深さも感じさせます。 

ラストノートになるとシダーウッドの真っ直ぐな香りが出てきます。中華統一のために払う犠牲の多さを理解し、その業を背負う覚悟を感じさせる、芯のある香りです。
そこに、オリバナムの穏やかな香りが重なると、恩人・紫夏から受け継いだ温かみを帯びた、柔らかな印象の香りになります。人の本質は光であることを確信する彼自身が持つ慈愛や優しさを思わせる、包容力のある香りが漂います。

嬴政のフレグランスは、ハーブの澄んだ涼やかさの中にある柔らかな甘みが特徴で、緊張や焦りを落ち着かせてくれます。 嬴政が信じる、人の持つ光や優しさを思い出すことで、後ろ向きになりそうな気持ちをリセットしてくれる香りです。