OHKI

SHIN

トップノートはペパーミントの冷ややかさと、トルーバルサムの熱感から始まります。スモーキーで香ばしい甘さがありながらも、僅かに冷感を帯びた香りです。従うに相応しい大きな夢を抱いた昭王を喪い、大将軍としてのなりを潜めた王騎のイメージです。
この二面性のある香りは、嬴政達の前に初めて姿を現した時の、敵か味方かはっきりしなかったような掴みどころのなさも感じられます。

ミドルノートになると、フェンネルの甘くスパイシーな香りに、アガーウッドの重厚な香りが出てきます。嬴政を自分が仕えるに相応しい王と認め、『夢追う王に従う』という自身の夢を実現した王騎将軍が、血沸き肉躍る戦場を前に昂る様子が思い浮かびます。
逞しい香りですが、スパイスのキレに重なるウッディ調がもたらす深みが気品を醸し出します。豪快に矛を振るいながらも冷静に戦場を見極めるような、泰然自若としている王騎将軍のイメージが伝わってくる香りです。

ラストノートになるとパチュリの渋みを帯びた、スギの芯のある香りが出てきます。渋みはありますが、ミドルノートの重厚なウッディ調とは違う清々しい香りです。
龐煖ほうけんに敗れ馬上で命を落とした王騎将軍。彼が最期まで信や飛信隊の面々に見せ続けた、大将軍としての勇猛で潔い生き様が感じられつつも、彼の魂が高らかに飛翔するかのような、穏やかですっきりとした香りが漂います。

王騎将軍のフレグランスは、スパイスの熱感とウッディ調の重厚さが特徴で、どっしりとした力強さの中に風格も感じられ、堂々とした印象を醸し出してくれます。
彼が見せる大将軍の景色を思い出して、何にも縛られずに自分の信念に従って生きる、そんな自信が湧いてくる香りです。