MOTEN

MOTEN

トップノートは、ベルガモットの軽やかな香りから始まり、飄々とした態度が思い浮かびます。また、キラリと光る端正な香りでもあり、女性が黄色い声を上げるほど整った顔立ちや、同世代の信や王賁と比べてさっぱりとした性格なども感じられます。
そこに、ラベンダーのほんのり渋みのあるしっとりとした香りが出てくると、軽やかさや眩さが落ち着きます。親しみやすく人当たりのいい蒙恬の性格が伝わってくる香りです。およそ戦場に似つかわしくない、優男なイメージです。

ミドルノートになると、リリーやマグノリアなどの凛とした花々の香りが出てきます。歴戦の猛者達も目を見張るほどの冴えた思考が伝わってくる、キリリとした香りです。昌平君をして底が見えないと言わしめた軍才は勿論、相手の攻撃をいなして戦うような器用さも感じられます。
また、トップノートのフローラル調とは違う力強い香りでもあり、ここぞという時に見せる大胆さや、味方を鼓舞する楽華隊隊長としての確かな資質も見えてきます。

ラストノートになると、ムスクの柔らかな香りが出てきます。アンバーの温かみも重なり、尊敬する祖父・蒙驁もうごうとの絆を感じられます。
一方でオゾンノートの淡々とした香りが出てくると今度は、周囲に馴染むのが得意な蒙恬がついぎくしゃくしてしまう相手、父・蒙武もうぶとの不器用な関係性が思い浮かびます。仄かな甘みがあり、絆と言うには淡泊だが、険悪と言うほど冷めきってはいない、そんな微妙な均衡を思わせる香りです。

蒙恬のフレグランスは、フローラル調の甘みや優雅な香りが特徴で、何でもそつなくこなすスマートな印象を醸し出してくれます。
爽やかな笑顔をたたえながら先の先を読む蒙恬の、人のさとずば抜けた知略を味方に、曲者揃いの慣れない場所でも上手く立ち回る柔軟さを思い出させてくれる香りです。