Iruka Umino
うみのイルカの香りは、飾らない彼の優しさを感じられるような、ふわりとした甘さのある香りです。
トップノートは、強張った心を綻ばせていくように、アニスの甘い香りが香ります。
ナルトや他の生徒から「イルカ先生」と呼び慕われている姿が目に浮かぶ、優しい香り立ちです。
しかし、どこか消えゆきそうな軽さも感じる香りのため、優秀だった彼が、わざと人の気を引こうとしていた幼少期を彷彿とさせるような、悲しみを隠して明るく笑う姿も感じられます。
ここから少し経つと、野に咲くナチュラルな花の香りが、そっと辺りを包むように花を開かせます。
複雑な想いを抱きながらも、ナルトの先生として時には叱咤激励し向き合ってくれる、ナルトの良き理解者である姿を感じさせます。
素朴であたたかい男性の、人肌のようなぬくもりに安心できる香りです。
ラストノートには、安らぎを覚える穏やかな空気感がじんわりと広がり続けます。
辛い境遇に苦しむナルトを「俺が認めた優秀な生徒だ」と手裏剣から身を挺して守る姿や、教え子をどこまでも信じ抜く彼の、帰るべき場所を示してくれるような包容力が感じられる印象です。
全てを包み込むほどの深い愛情に満たされる、あたたかい香りです。
©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ