Devil

Finn Ames

【トップノート】
研ぎ澄まされたような印象を持つ、ラバンディンが香り立ちます。ラバンディンは、ラベンダーの一種ですが、ラベンダーの優しい甘さとは違い、鋭い香りを放つ花です。
そこにシャープなライムのキレが重なり、近づいたら危ないのではないかと感じさせるような雰囲気を漂わせています。
ギラっとした光を感じさせるような、深い甘さと刺々しさが混ざり合った香りです。

【ミドルノート】
スモーキーな渋みを持つアガーウッドの香りが、じんわりと広がってゆき、ウッディ系のドライな印象が重厚感と逞しさを生んでいます。
傲慢な姿を思わせる香りですが、痺れるような甘さもあり、思わず胸が高鳴ってしまうスリリングな男の魅力を物語っています。
そこにラズベリー系の軽やかな甘酸っぱさが重なって、にやりと笑みをたたえた表情のような、悪戯心も感じさせます。

【ラストノート】
熱感のあるアンバーがゆっくりと流れ始めます。
さらに、樹脂系の温かみのある香りとウッディ系の深みとを併せ持つ、グルジュンバルサムが香り出します。
ミドルノートから引き続いて力強さは感じられるのですが、これまであった渋みが熱と重なって、ゆったりと溶けてゆくようです。
これにより人肌のような温かみが立ち昇り、何とも抗いがたい色気を生み出します。

【全体的な香りの印象】
危険な男を思わせる渋さと、ハスキーな甘さが入り混じる、ビタースイートなフレグランスです。
威圧的な輝きを持ち、駄目だと思いつつも思わず惹かれてしまうような「悪魔」を、ぜひ感じてみてください。