トップノートは、みずみずしいマンダリンの香りで、少し幼い印象があります。
そこに、フレッシュグリーンの仄（ほの）かな渋みが重なります。少しツンツンと尖ったような雰囲気が混じることによって、物語当初の、アーニャに意地悪をしているダミアンらしさが感じられる香りです。

ここからミドルノートになると、ジャスミンの華やかな印象が広がります。幼いながらにも国家統一総裁の息子だという自覚と気高さを持ち、伝統あるイーデン校で自身の立場を確立している彼の、デズモンド家に生まれた者としての誇りが感じられます。
ただ、トップノートからのグリーンの渋みはそのまま残るため、香りに深みも出てくるようになります。アーニャが先に星（ステラ）を獲得した際に、周囲から聞こえてくるアーニャの陰口を一喝するような、一本芯の通ったダミアンも感じられる香りです。

ですがラストノートになると、一転して甘酸っぱいアップルが香り出します。さらにそこへアンバームスクが淡く重なり、柔らかな印象も少しだけ出てきます。
父上に振り向いてもらうために星（ステラ）を取って皇帝の学徒（インペリアルスカラー）になるという目標を掲げている彼の、純粋な一面や一生懸命な姿を物語るような香りです。

ダミアンのフレグランスは、素直になれない男の子らしいツンツンとした雰囲気が可愛らしい香りです。
名家の男の子らしい上品さや、徐々に出てくる甘さなども、是非お楽しみください。