トップノートは、グレープフルーツやアップルなどのみずみずしいフルーツの香りから始まります。
少女漫画を読んで「ドキドキの恋」に憧れるような、純情な少女らしさが伝わってくる明るい香りです。
一方で、透明感のある香りでもあり、周囲に不運を呼ぶくらいならばいっそこの世からいなくなってしまおうとする、儚い雰囲気もあります。

ミドルノートになると、ハニーサックルのはちみつのような甘みが出てきます。
アンディと出会い、口では否定するものの、その人柄に惹かれている風子のイメージです。
そこにジャスミンの凛とした香りが重なると、力強い印象が感じられるようになります。
忌み嫌った自分の能力を誰かのために使う活路を見出し、「来るよ！不運が！！」と力強く宣言する、前向きな彼女の姿が思い浮かびます。

ラストノートは、ムスクの柔らかな甘みと、シダーウッドのすっきりとした香りが出てきます。
不運の能力は「相手への好感度」でその力の大きさが左右され、好きになればなるほど強い不運を引き寄せてしまうという、辛い宿命を背負った風子。そんな彼女の、優しく純粋な心や戦う覚悟を思わせる、清らかで真っ直ぐな香りです。

風子のフレグランスは、清潔感があり、混じりけのない澄んだ香りが特徴です。
相手が誰であれ何であれ、その人の信念に寄り添い嘘偽りなく好きになれる懐の深さや、その分みんなから愛されている様子が伝わってきます。

©戸塚慶文／集英社・アンデッドアンラック製作委員会