ひやりと冷たいリーフグリーンのトップノートから、ヘリオトロープが霧のように広がるミドルノートを経て、底知れない雰囲気を残したサンダルウッドのラストノートへ。
幻影を追いかけた先にあるのは、計り知れない闇と孤独。確かに記憶に焼き付く存在感を放ったかと思えば、指の間をすり抜ける煙のように暗闇の中へ姿を隠す。
熟達した気配をその身に宿して、謎多き組織を統べる紳士へ贈るフレグランス。

硬さを覚えるクラリセージのトップノートから、白菊の花がゆっくりと花開くミドルノートを経て、清澄な気配が漂うクスノキのラストノートへ。
その場に在るのは、どこまでも実直な男が宿す自国への忠誠心。しかし、どこか優しい空気が広がり始めれば、己をも知りえなかった本心がゆるやかに紐解かれてゆく。
揺るがぬ意志をその胸に抱き、まだ見ぬ未来を突き進む青年のためのフレグランス。

上品なベルガモットのトップノートから、ほのかに甘さをまとうリラのミドルノートを経て、燻（くゆ）らすように百合の花が寄り添うラストノートへ。
端麗な笑みの奥に潜ませるのは、不明瞭で捉えどころのない空気感。異彩を放つその気配に呑まれ、煙霧の中へとくらませた姿を追うことは最早叶わない。
辿ってきた軌跡さえも真っ白に染め上げる、卓越した存在に魅了されるフレグランス。

軽やかなオレンジピールのトップノートから、じわりと渋みが混じるベチバーのミドルノートを経て、隠し持っていた光がかすかに見えるフローラルオゾンのラストノートへ。
明るく軽妙な雰囲気から感じるのは、遊び心を含ませた彼の笑顔。だがその後ろでは、飄々とした薄明りが淡く広がり、決して本心を掴ませることはない。
幾重にも折り重なる虚実から真実を導き出して、迫りくる運命に身をゆだねるフレグランス。

硬質なユーカリのトップノートから、勢いのあるレザーのミドルノートを経て、カモミールの落ち着いたラストノートへ。
乱雑とした情勢の中、無骨な男性が思い出すのは懐かしい光景。流れゆく日々と共に色褪せて見失いかけていた時を押し戻すように、その香りは過ぎし日の記憶を連れてくる。
捨て去れぬ過去と共に紡ぎ出す、己の生きる意義を照らすためのフレグランス。

奥深いカサブランカのトップノートから、軽やかなオリスのミドルノートを経て、ぬくもりのあるアンバーのラストノートへ。
甘やかなその雰囲気から感じるのは、悠揚な佇まいにまとわせた大人の色気。目の前に差し出されたその手を取れば、張り詰めた糸をほぐすように優しい温度感へ包まれてゆく。
悠々たる振る舞いを見せる男性の、余裕と気品がにじみ出すフレグランス。

軽やかなフローラルアルデヒドのトップノートから、儚げな印象を持つミュゲのミドルノートを経て、静けさを感じるベチバーのラストノートへ。
軽妙な雰囲気が高らかに広がると、目に浮かぶのは悪戯な笑みを浮かべたその姿。どこか憎めない愛嬌を持つ青年はやがて不透明な空気に包み込まれ、彼を知ろうと手を伸ばしても届くことは叶わない。
強（したた）かな素顔の下に隠し持つ、飄々とした存在に惑わされるフレグランス。

柔らかくピュアなミュゲのトップノートから、どこか淡々としたパチュリのミドルノートを経て、静寂をもたらすスペアミントのラストノートへ。
最初に感じるのは、柔和な微笑みを湛えた青年の姿。彼の秘密を暴こうと深く踏み込んだその瞬間、まるで色彩を失うように無機質な空気が辺りを浸食し、残るのは優しい面影が消えた冷酷な一面のみとなる。
伏せられていた素顔と共に、殺伐とした雰囲気が音もなく広がるフレグランス。

乾いたユーカリのトップノートから、甘さと共に指の間をすり抜けるサンダルウッドのミドルノートを経て、危うげな雰囲気を持つベチバーのラストノートへ。
隙のない気配を放つ彼がその身にまとう、どこか捉えどころのない空気感。巧みに人格を操りながら虚言を弄するその姿は、やがて幻のように暗闇へと溶けて見失われる。
影に紛れて暗躍する男性の、その曖昧な存在感に翻弄されるフレグランス。

しっとりとした印象のトップノートから、少しの渋みを伴うローズウッドのミドルノートを経て、穏やかな空気が広がるフローラルオゾンのラストノートへ。
知的な雰囲気をまとう青年から垣間見える、どこか憂いを帯びた眼差し。晴天の下で思いを馳せる横顔に覚悟が宿ると、そこに現れた精悍な表情に目を奪われる。
成すべき己の使命を胸に抱く彼の、思索の末に導き出したものに触れるフレグランス。

熱感のある荒々しいガルバナムのトップノートから、端正な空気が広がるタイムのミドルノートを経て、その熱をゆっくりと冷ますように重なるオークモスのラストノートへ。
落ち着いた振る舞いを見せる男性が掲げるのは、残酷かつ明瞭な戒律。刹那の間穏やかな雰囲気が漂い出すものの、熱が冷めれば最後、薄暗闇の中できらりと光るナイフを躊躇なく突き立てる。
紳士的な表情に忍ばせた、残忍な一面を覗かせるフレグランス。