ハーバル調の涼やかな香りと、ミドルノートにある花の甘さの、繊細な印象の香り立ちが特徴です。

陸上部出身で運動神経が良く、フェミニンというよりは清楚で凛とした少女としての「深水 雛子」の雰囲気が思い浮かびます。

ハキハキとした印象ではなくしっとりと繊細な質感の香りなので、結婚による幸せという通念的な価値観を受け入れられない彼女の、精神世界で見せる危うい印象も感じられます。

トップノートの涼やかさが引く代わりに、ほんのりと白桃の甘みを帯びた、様々な花の甘みが出てきます。

花の甘みがメインになることで、トップノートより一層美しい雰囲気が出てきます。

一方でその分、香り立ちが少し重く・仄暗く変化します。

ここでは、狐面の男と共に社殿を探索する「雛子」としての側面が感じられます。

自分や家族・友人を「殺し」ながら、婚姻の儀式を進めていく彼女の、自分を押し込めているような、決して晴れ晴れしい雰囲気ではない様子。

さらには、狐の秘薬・秘法により言いなりにされている時の、重苦しく忘我の境地にいるような様子も感じられます。

ウッディ調の香りに重なって、ムスクのゆったりとした香りが出てきます。

ゆったりと霧のように揺蕩う印象の香り立ちで、静寂の戎ヶ丘に立つ2人の雛子を思わせる香りです。

周囲とぶつかり合い対話を経て、家族や友人を“理解”できるようになったという成長や、九尾や九十九神を打ち倒した彼女が、誰かに決められた道ではなく、自らの選択でこれからを生きようとしていく様子を思わせます。

ただし、最後まで曖昧な、ぼんやりとした輪郭の香り立ちでもあるため、これからの彼女の人生がどんな方向に進んでいくのかはまだわからない、といった余白が感じられる香りです。

深水 雛子のフレグランスは、美しくもどこか不安定な様子を思わせる、しっとりと静かな香りが特徴です。

「深水 雛子」と「雛子」の2人の人格が入り混じる様子を経て、その後の彼女の人生や選択が、果たしてどんな結末を迎えるのか。

まるで、それすらも霧の中に紛れて明確な答えがない様子を、香りで感じてみてください。

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