Ro Fu Yo

浪巫謠|「Thunderbolt Fantasy Project」フレグランス

【トップノート】
シトラス調のすっきりとした香りとイグサの渋みによる、真っ直ぐでありながら力強さを感じさせる香りです。
普段は口数少なく物静かな浪巫謠ロウフヨウの、相手の悪意や性根の悪さに気づいた瞬間に問答無用で刃を向けるような、弦歌斷邪ゲンカダンジャの二つ名に相応しい正義感ある姿が思い浮かびます。
一方で、力強さをもたらすジリジリとした渋みからは、一度は人との関わりを拒んだほどの生い立ちの険しさや、魔族の見せる悪夢にうなされるほどに思い詰めた彼の苦悩や悲痛さすら伝わってきます。

【ミドルノート】
イランイランの華やかな香りや、スターアニスやシナモンといったスパイスの熱感が出てきて、じわじわと力強さが増していきます。
天籟吟者テンライギンジャの称号を冠する浪巫謠の、聴く人を魅了する魔性の歌声が響き渡るイメージです。
トップノートに比べて濃厚さが増していくような変化からは、魔宮貴族・阿爾貝盧法アジベルファの血を引く彼が、魔族へと覚醒していく様子までもが感じられます。
心を癒す魅惑の歌声でありながら、魔界の猛獣を圧倒するほどの威力を発揮することもあるといった、華やかさとパワフルさの二面性がある香りです。

【ラストノート】
アンバーやレザーノートの香りが出てきて、ミドルノートの苛烈なまでの力強さが落ち着きます。
母親や睦天命ムツテンメイの目を守れなかったという苦々しさを引きずっているところが感じられる、静かながらもほろ苦さの残る香りです。
しかし、ほんのりアガーウッドの甘みが潜んでいるため、魔族になりかけ、復讐のために力を求めた浪巫謠が、それでも人の姿でいることを決意した様子を思わせます。
まるで寄り添うかのような心地よさすら覚える優しい香りが、静かな余韻を残します。

【全体的に】
浪巫謠のフレグランスは、世に名を轟かせる歌声の華やかで魅惑的な雰囲気と、攻撃の意思をもたせれば武器にもなるという力強さ、その両方を併せ持っているのが特徴です。
過酷な環境で生き抜いてきた彼が、自分の目と耳で善悪を判じて悪を絶とうと決意するに至るまでの苦悩と、決して悪に染まることのない正義の心を感じてみてください。